■影だけが欲しい…マスクが欲しい…(Passの活用)&バッチレンダリング■
アニメ屋的感覚で3Dキャラクターはセル、建物なのどシーンは背景(BG)やBookとして、光物は透過光、shadowはWラシMASK
などなどとコンポジット素材として分別してレンダレング後、After Effectsで合成&エフェクトの調整を行いたい!
その為に1つのSceneDATAから分別したい素材のみを複数レンダリングする方法を解説します。
■PassとPartitionについて
1;Mask作成Pass
2:影作成Pass
■バッチレンダリング

解説素材として次のようなSceneを作成

プリミティブSphereにマテリアル:Phongを設定後Texture>Image,画像はデフォルトのままでTextureProjectionをSpherical
Lightの角度を適当に調節して、プロパティのShadowをオン。Gridに適当な影が落ちるようにします。
カメラを適当に配置
CAM A/画角4:3
CAM B/画角16:9
CAM C/画角2.35:1
と、わざとサイズを変えてあります。(さまざまなカメラからの指定を行った場合の結果がわかりやすいように設定しただけです。意味はありません)
各カメラからの結果は次の各図のような感じです。

さて、これで下準備完了です。次から本題に入ります
レンダリング設定は"Pass"で管理する事ができます。
■PassとPartition
8キーを押してExplorerウインドウを出して表示をSceneからPasses(Aキー)へ変更。

"Default_Pass"があります。ダブルクリックでプロパティーが表示されるので名称を変更します。
今回基本とするこのパス「Base_Pass」に基本のレンダリング設定を同時に行います。
このパスにてレンダリングする出力先(Output)カメラ(Format)画質(Anti)等を設定
*Base_PassではCAM_Aを指定

Passの機能として便利なのがさまざまなレンダリング設定を作成できるという点です。
例として表示されているGridをレンダリングさせない、という設定を行います。
Pass>Partition>Newにて”Base_Pass”の中に新しい空っぽのPartition(仕切り)を用意します

新しくできたPartition内にGridをドラッグ&ドロップで移動させ、Partitionのプロパティの
Render Visibilityの設定をHideに変更します。
するとレンダリング結果には出ません
次に現状テクスチャーがすでに貼られているSphereのRenderTreeを変更せずに
マテリアルを上書き(?)してみます。

Gridを元のPartitionにもどして代わりにSphereを新しくできたPartitionに移動させます。
[Alt+5]NetViewをから作りおきのコンスタントマテリアル黒をPartitionへドラッグ&ドロップ。(NetView内のマテリアルなら何でもOK)
Partition内にマテリアルアイコンが表示されます。
レンダリング結果はこうなります→
元々のテクスチャー設定はそのままなので 元に戻したい場合はPartitionから出してあげれば元にもどります。
このような様々な設定を行ったPassを複数作成してみます。
SphereだけのMaskをCAM_Bから作成するPassと
Sphereの影だけをCAM_Cから作成するPassをセットしていきます
1:SphereのMask作成Pass
SphereをPick選択しておいてPass>Edit>NewPass>WhiteMatte

White_Matte_Passという新しいPassが用意されます。
Pass名をダブルクリックしてプロパティを表示、CAM_Bからレンダリングするように
各種設定項目を編集してください。
ちなみにRegionでプレビューしてみるとこんな結果になります。
2:Sphereの影作成Pass
今度はGridをPick選択しておいてPass>Edit>NewPass>SelectionShadow

Selective_Shadow_Passという新しいPassが用意されます(名前長いのでShadow_Passに変更しました)
1と同様にPass名をダブルクリックしてプロパティを表示、CAM_Cからレンダリングするように
各種設定項目を編集してください。
ちなみにRegionでプレビューしてみるとこんな結果になります。
アクティブなPassの切り替えはPassの下にあるプルダウンメニューにて変更できます

さて、これで3種類のレンダリングパスが用意できました。
Base_Pass(CamAから普通にテクスチャー表示されたSphere&地面影のついたGridをレンダリング)
White_Matte_Pass(CamBからSphereだけのMaskをレンダリング)
Shadow_Pass(CamCからGridに落ちたSphereの影をレンダリング)
これらのパスを切り替えて必要に応じてレンダリングする事が可能です。
■バッチレンダリング
1つのSceneDATAからさまざまな素材を出力する為にPassの設定を行いました。
今度はこの3種類のレンダーパスを順番にレンダリングさせる設定を行います。
XSIのRender>OptionからRenderボタンを押してレンダリングさせる方法ではなく
GUIを立ち上げずにコマンドラインでレンダリングさせます。
(GUIを表示させないのでちょっぴり計算結果が速いです)
*Win(NT&2k)での方法*
Notepadなどのテキストエディターにて次のような記述をします。
xsi -r -scene "G:\test\Scenes\render_test.scn" -pass "All" -continue

これはGドライブ内にあるtest/Scenes/render_test.scnに設定されている全てのPassをレンダリングする、という設定。

また、Base_PassとShadow_Passだけをレンダリングしたい場合は

xsi -r -scene "G:\test\Scenes\render_test.scn" -pass "Base_Pass" -continue

xsi -r -scene "G:\test\Scenes\render_test.scn" -pass "Shadow_Pass" -continue

と、レンダリングさせたいPass名を個別に記述しておく。
この方法で別のデレクトリーにある複数のSceneDATA(.scn)の複数のPassをいくつも登録しておく事が可能になる。
*essentialの場合は
xsi -essential -r -scene  と記述が必要

参考Advanced用[render.bat]/Essential用[render_e.bat]

このテキストファイルを[render.bat]というファイル名にてXSIがインストールされているドライブ内の\Softimage\XSI_3.0\Application\binへ保存する
このテキストファイル(.bat)を実行させる為にコマンドプロンプトを表示させます
winスタートメニューからプログラム>SoftimageProducts>SOFTIMAGE XSI>Command Prompt


表示されたコマンドプロンプト内にて先ほど保存したバッチファイル名を打ち込んでEnterキーを押して下さい。記述に問題なければレンダリングが次々と実行されます。
確認の為、出力先のデレクトリーを見てください。次々と画像ファイルが出来上がってくるはずです。
これで複数のシーンのレンダリングを仕掛けて退社、翌朝出社してみると様々な素材ファイルが出来上がってる!といった事が可能になります。
ほかにもコマンドラインで様々な指定が可能ですので
renderingマニュアルを参照してみて下さい